心理学用語

囚人のジレンマ

心理学における「囚人のジレンマ」

心理学における「囚人のジレンマ」は、ゲーム理論におけるゲームの一つです。

2人の囚人が、それぞれ自白するか黙秘するかを選択する状況を想定したゲームです。

それぞれの選択によって、4つの異なる結果が得られます。

囚人のジレンマのゲーム

状況:

2人の囚人が、別々に尋問されている。

2人とも、ある犯罪に関与した容疑で逮捕されている。

警察は、それぞれの囚人が自白すれば、証拠がなくても有罪判決を下せるだけの証拠を持っている。

しかし、どちらか1人だけが自白し、もう1人が黙秘した場合、自白した囚人は軽い刑罰で釈放され、黙秘した囚人は重い刑罰を受ける。

2人とも黙秘した場合、2人とも軽い刑罰で釈放される。

選択:

自白: 相手が自白するかどうかは分からないが、自白すれば軽い刑罰で釈放される可能性がある。

黙秘: 相手が自白するかどうかは分からないが、2人とも黙秘すれば軽い刑罰で釈放される可能性がある。

結果:

| 囚人A | 囚人B | 結果 |

|---|---|---|

| 自白 | 自白 | どちらも8年の刑 |

| 自白 | 黙秘 | 自白者は2年の刑、黙秘者は10年の刑 |

| 黙秘 | 自白 | 自白者は10年の刑、黙秘者は2年の刑 |

| 黙秘 | 黙秘 | どちらも1年の刑 |

ゲームのジレンマ

このゲームのジレンマは、個人の利益を追求すると、全体の利益が損なわれるという点にあります。

囚人Aの視点から考えると、自白するのが最善です。

相手が自白するかどうかは分からないが、自白すれば軽い刑罰で釈放される可能性がある。

黙秘しても、相手が自白すれば重い刑罰を受けることになる。

囚人Bの視点からも、自白するのが最善です。

相手が自白するかどうかは分からないが、自白すれば軽い刑罰で釈放される可能性がある。

黙秘しても、相手が自白すれば重い刑罰を受けることになる。

しかし、2人とも自白してしまうと、2人とも8年の刑を受けることになります。

これが、囚人のジレンマと呼ばれる所以です。

囚人のジレンマの研究

囚人のジレンマは、心理学、経済学、政治学など、様々な分野で研究されています。

研究によると、人間は必ずしも利己的な行動を取るわけではないことが示されています。

人間は、公平性や信頼などの社会的規範を考慮して行動することもあります。

囚人のジレンマの現実世界への応用

囚人のジレンマは、現実世界にも様々な形で存在します。

例えば、環境問題や軍拡競争などが挙げられます。

これらの問題では、個人が自分自身の利益を追求すると、全体的な利益が損なわれるという状況が生じることがあります。

結論

心理学における「囚人のジレンマ」は、個人の利益と全体の利益のジレンマを明らかにするゲームです。

このゲームは、人間がどのように意思決定し、協力するかを研究するために用いられ、様々な分野で応用されています。

参考URL:

囚人のジレンマ - Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E6%AD%BB%E5%88%91%E5%9B%9A

囚人のジレンマとは? 心理学で重要なゲーム理論を解説:https://yumenavi.info/vue/result.html?Kw=%E5%9B%9A%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E&SerKbn=j&Mt=1

囚人のジレンマゲームにおいて他者について考えることが協力率に与える影響:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssp/32/2/32_0905/_article/-char/ja


Copyright(C) 2012 心理学用語辞典 - 心の言葉を知るブログ All Rights Reserved.