功利主義
心理学における「功利主義」とは?
心理学における「功利主義」は、倫理学の一つの考え方であり、ある行為の善悪を、その行為がもたらす結果の総計によって判断する理論を指します。
功利主義は、18世紀イギリスの哲学者ジェレミー・ベンサムによって提唱されました。
ベンサムは、「最大多数の最大幸福」という考えに基づいて、功利主義を体系化しました。
功利主義の考え方
功利主義によれば、ある行為が善であるかどうかは、その行為がどれだけ多くの人々に、どれだけ大きな幸福をもたらすかによって判断されます。
つまり、結果としてより多くの人々が幸せになればなるほど、その行為は善であると考えられます。
功利主義の例
以下に、功利主義に基づいて判断される可能性のある例をいくつか挙げます。
嘘をつくこと: 嘘をつくことは、一般的に悪いこととされています。しかし、嘘をつくことによって、より多くの人々が幸せになる場合もあります。例えば、人を傷つけないようにするために嘘をつく場合などが考えられます。
人を殺すこと: 人を殺すことは、法律上も道徳上も許されない行為です。しかし、人を殺すことによって、より多くの人々の命を救うことができる場合もあります。例えば、自衛のために人を殺す場合などが考えられます。
功利主義のメリットとデメリット
功利主義には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット:
客観的な判断基準を提供する: 功利主義は、ある行為の善悪を客観的な基準に基づいて判断することを可能にします。
多数の人の利益を考慮する: 功利主義は、少数の人々の利益よりも、多数の人の利益を優先する考え方を示しています。
デメリット:
個人の権利を軽視する可能性がある: 功利主義は、個人の権利よりも、全体の利益を優先する考え方を示しているため、個人の権利が軽視される可能性があります。
結果を予測することが難しい: 功利主義は、ある行為の結果を予測することを前提としているため、結果を正確に予測することが難しい場合には、適切な判断を下すことが難しい場合があります。
功利主義と心理学
功利主義は、心理学においても様々な研究で取り上げられています。
例えば、道徳判断に関する研究において、人々がどのように道徳的な判断を下すのかを、功利主義の観点から分析する研究が行われています。
また、利他行動に関する研究において、人々がなぜ利他的な行動をとるのかを、功利主義の観点から説明する研究も行われています。
結論
心理学における「功利主義」は、倫理学の一つの考え方であり、ある行為の善悪を、その行為がもたらす結果の総計によって判断する理論を指します。
功利主義には、メリットとデメリットがあり、心理学においても様々な研究で取り上げられています。
参考URL:
功利主義 - Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%9F%E5%88%A9%E4%B8%BB%E7%BE%A9
功利主義とは? わかりやすく解説!:https://www.weblio.jp/content/%E5%8A%9F%E5%88%A9%E4%B8%BB%E7%BE%A9